先日、ゲームセンターに行きました。
久しぶりにクレーンゲームでもやってみるかと思い、クレーンゲームコーナーに行くと幼稚園児くらいの女の子が泣いていました。
周囲を見ても、親らしき人が見当たらず、店員さんも近くにいません。
「どうしたの?」
と声をかけてみると、
「ぴかちゅうがほしいの」
と言って、女の子は泣いています。
『ピカチュウのぬいぐるみをとってあげるくらいなら良いよなぁ』と思い、その女の子にピカチュウのぬいぐるみをとってあげました。
すると、その女の子は泣き止んで無邪気な笑顔で「ありがと」と言って走り去って行きました。
私は『あの子の親はどこにいるんだろう』と不思議に思いましたが、あまり気にせず他のクレーンゲームで遊び始めました。
大きいカビゴンのぬいぐるみがとれずに苦戦していると…
「あのぉ、すみません。」
と、吉岡里帆似の女性が声をかけてきました。
「ウチの子にピカチュウをとってくださったのはあなたですか?ありがとうございます。」
そう言いながら、深々と頭を下げる女性の後ろにはさっきの女の子が隠れていました。
どうやら女の子のお母さんがトイレに行ってる間に勝手にクレーンゲームの方に来てしまっていたらしいのです。
ピカチュウのお礼ということで、その親子に缶コーヒーをいただきました。
コーヒーを飲みながらベンチでお母さんと少しお話をしていると、シングルマザーで子育てが大変であることを聞きました。
私は思い切って、
「良かったら相談相手になりたいのでLINEを教えてください」
と言うと、優しい笑顔でそのお母さんはLINEを交換してくれました。
それからLINEのやり取りをする日々が続き、一緒に食事をする約束をしました。
約束当日。
あの女の子と一緒に食事をすることになるだろうからファミレスが良いかなぁ…なんて考えながら待ち合わせ場所で待っていると、吉岡里帆似のあの女性が一人でやってきました。
「今日、娘さんは一緒じゃないんですか?」
と聞くと、
「今日は叔母が面倒を見てくれてます。せっかくあなたと一緒に過ごせるのにあの子がいたらゆっくり過ごせないので…。夜遅くなっても大丈夫です。」
と優しい笑顔で答えてくれました。
なんてことはあるはずもなく、2週間近く通知の鳴らないLINEを開いては閉じ、開いては閉じ…を繰り返しながら、どん兵衛を食べています。
ちなみに、今回のお話はTwitterのフォロワーのいわしさんのリクエストでした。
お読みいただきありがとうございました。